TeXの記憶(125) — Mac用Ghostscript(gv付き)を入れてみた

以前にDebianに入れたgvのMac版をインストールした記録です。

gvは使っているウィジェットも古いし、Macで使うにはインターフェースに合わないし、ちょっと時代遅れの感が強いのですが、psファイルをそのまま表示するには便利で長年Linuxで使っているソフトウェアなので入れておきます。

マスクメロンの管理人の方がMac用に作成したバイナリを利用させていただきました。

0617

インストールにはX11が必要

Mountain LionからX11が同梱されなくなったので、代わりにここからダウンロード、インストール、再起動すれば使えるようになります。

Ghostscript.appのインストールは簡単

マスクメロンのサイトより、Ghostscript_Lion-20120212.tar.bz2をダウンロード。もっと新しいバージョンもありましたが、「おすすめ」という表示に従いました。

解凍すると、Ghostscript.appができるのでそれをアプリケーションに移動。これだけです。

Macの「*.app」は実際にはフォルダなので、Ghostscript.appもフォルダになっていて、gvもこの中に入っています。というかGhostscript.appを実行するとgvが表示されます。

PATHの設定

『[改訂第6版]LaTeX2e 美文書作成入門』などでTeXをインストールしていると、すでにgsが入っているので、PATHの設定で、そちらより先に探すように設定しておきます。

配布サイトの補足にあるように、

export PATH=/Applications/Ghostscript.app:/Applications/Ghostscript.app/bin:$PATH

のように設定しました。

cidfmapの設定

表示したいフォントの設定はcidfmapにします。場所は以下のところにあります。

/Applications/Ghostscript.app/share/ghostscript/9.05/Resource/Init/cidfmap

実際には「cidimap –> cidfmap.pub」のシンボリックリンクなので、別に「cidfmap.local」
のファイルを作ってこちらにシンボリックリンクを貼りました(「.local」でなくても何でもいいです).

rm cidfmap
ln -s cidfmap.local cidfmap

cidfmapの設定内容

とりえずモリサワ基本5書体の設定をしました。わたしの場合は代用フォントでかまわないので、元のcidfmap.pubを参考にして適当に設定しました。

ちなみに、「-83pv」とあるのは、Shift-JIS用に設定されたものです。
「Ryumin-Light-83pv-RKSJ-H」のように埋め込まれたPSファイルを扱うことがあるので、設定しました(今はほとんどありませんが)。OTFフォントだと表示されないので、ipaフォントのttfを呼び出すようにしています。

できあがったcidfmap.satoの内容です。

% morisawa basic 5 fonts (cid, otf, cid-sjis)
/Ryumin-Light /HiraMinPro-W3 ;
/RyuminPro-Light /HiraMinPro-W3 ;
/Ryumin-Light-83pv /X-Mincho-83 ;
%
/GothicBBB-Medium /HiraKakuPro-W3 ;
/GothicBBBPro-Medium /HiraKakuPro-W3 ;
/GothicBBB-Medium-83pv /X-Gothic-83 ;
%
/FutoMinA101-Bold /KozMinPro-Bold ;
/FutoMinA101Pro-Bold /KozMinPro-Bold ;
/FutoMinA101-Bold-83pv /X-Mincho-83 ;
%
/FutoGoB101-Bold /HiraKakuPro-W6 ;
/FutoGoB101Pro-Bold /HiraKakuPro-W6 ;
/FutoGoB101-Bold-83pv /X-Gothic-83 ;
%
/Jun101-Light /HiraMaruPro-W4 ;
/Jun101Pro-Light /HiraMaruPro-W4 ;
/Jun101-Light-83pv /X-Gothic-83 ;
%
% SJIS用
/X-Mincho-83 << /FileType /TrueType /Path (/Users/sato/Library/Fonts/IPAfont00303/ipam.ttf) /SubfontID 0 /CSI [(Japan1) 6] >> ;
/X-Gothic-83 << /FileType /TrueType /Path (/Users/sato/Library/Fonts/IPAfont00303/ipag.ttf) /SubfontID 0 /CSI [(Japan1) 6] >> ;

.gvの設定

以前のDebianの場合と同じように最低限以下の設定を入れた「~/.gv」がないとうまく表示されませんでした。

GV.version:  gv 3.7.3
GV.scaleBase:      2
GV.gsSafer:  False

これで、コマンドラインから

gv foo.ps

でPSファイルが表示できるようになりました。

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