TeXの記憶(64) — 数式の見出しを左に、番号を右に

TeXの記憶(63)\tagsleft@を利用して見出しを行頭に揃えるの続編です。前回は数式が中央揃えになっているときに各式の見出しを左に揃えて出力しました。この方法では式番号を出力するAMSLaTeXの\tagsleft@を使ったので、式番号は右に出なくなってしまいました。

では

左に見出し、中央に数式、右に式番号

を出すにはどうすればいいか、幅ゼロのボックスを行の中心に2つ作って、1つは左端に出力する見出し用、もう1つは中央に出力する数式用、式番号は元々の仕組みを利用することで解決しました。

1005a

以下がスタート地点です。2つのボックスが幅ゼロで中央に揃うので、2つの文字が重なります。最初のボックスの中で見出しを1/2行だけ左に移動し、この地点(行頭)から幅ゼロの\rlap(=\hbox to 0pt{#1\hss})で見出しを右方向に組版しています。

\begin{equation}
  \hbox to 0pt{\hss □\hss}
  \hbox to 0pt{\hss 真ん中\hss}
\end{equation}

1005b

数式は、\hboxの中で使うので新たに数式モード、ディスプレイスタイルにしました。

\begin{equation}
  \hbox to 0pt{\hss\rlap{(公式1)}\hskip.5\linewidth}
  \hbox to 0pt{\hss$\displaystyle
    \{g(f(x))\}'=g'\left(f\left(x \right)\right)\cdot f'\left(x \right)
    $\hss}
\end{equation}
\begin{equation}
  \hbox to 0pt{\hss\rlap{(公式2)}\hskip.5\linewidth}
  \hbox to 0pt{\hss$\displaystyle
    \{f^{-1}(y)\}'=\displaystyle\frac{1}{f'(f^{-1}(y))}
    $\hss}
\end{equation}
\begin{equation}
  \hbox to 0pt{\hss\rlap{(公式3)}\hskip.5\linewidth}
  \hbox to 0pt{\hss$\displaystyle
    (e^x)'\ =\ e^x
    $\hss}
\end{equation}

 

TeXの記憶(63) --- \tagsleft@を利用して見出しを行頭に揃える
\tagsleft@はAMSLaTeXのマクロamsmath.styの中で定義されているスイッチで、値がtrueなら式番号を左に出力します。通常はfalseになっているので式番号が出力されます。 数式が中央揃えになっているときに、各式...

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