TeXの記憶(117)–古いTeXでHelveticaのスケールが効かない

2010年ころに私が作った書籍データを他社が処理することになりました。というかもともと他社の仕事を私が引き受けたものです。こういう場合は増刷の場合も私が処理してきたのですが、このところ私はマクロのみで組版をしなくなったので、相手先が処理することになりました。

無事に処理が終わってるかと思ったころ、相手先からがHelveticaが大きく出力されるとの報告が寄せられました。データをもらって調べてみると13Qのはずが14Qになっています。これは何だろうか。tfmやvfが悪いのかmapファイルの設定が何か問題があるのか。

もう一度確認してもらいましたが、それでもダメなようです。応急処置としてHelveticaを使っている箇所だけ直接サイズを変更すれば何とかなるのですが、やっぱり原因を調べてはっきりとさせたいようです。そりゃそうでしょう。このままじゃ気持ちが悪いし、問題が先送りされるだけですから。

クラスファイルは自分で作ったものなので、該当箇所も分かっているつもりで調べましたが問題があるとは思えません。その他のマクロを見ても同じです。

ところがクラスファイルの最初のほうを見ると

\RequirePackage[scaled=0.925]{helvet}

という行が目に留まりました。これかな?試しにscaledの部分を取り除いてみたら14Qに表示されたのです。原因はこれのようです。どうも相手先のTeXではこれが無視されているようです。

試しに自分のところにある古いディストリビューションでも試してみたところ、この行でエラーが起きて処理自体が中断してしまいました。

エラーになってくれれば分かりやすいのですが、何もなしに無視されてしまうとなかなか原因にたどり着けません。(ほんとうはログにワーニングかなんかが出ているのを見逃したのかもしれませんが、私の手元のマシンじゃないので定かではありません。)

結局もっと新しいディストリビューションで処理するしかないようです。っていうかさっさと新しいのに切り替えてよ。

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