TeXの記憶(91) — \textcompwordmarkをちょこっと試す

TeXのフォントに備わった機能に合字(リガチャー)があります。

合字が有効なら、隣り合ったffとかfiが一体となって表示されます。CMフォントだとこれが標準なのですが、合字をさせないための \textcompwordmark という長い名前のコマンドが用意されています。
これを使うと ff だの fi が離れて表示されることになります。

offset  \qquad   of\textcompwordmark fset
fine    \qquad   f\textcompwordmark ine

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ところで数式モードのときにアルファベットはイタリックで表示されますが、字詰めが通常のイタリックとことなり自動的に文字間を調整してくれません。たとえば「offset」を組むと妙な間隔になってしまいます(1)。

これだと見た目がちょっと不自然なので\mathitで囲んでみると今度はffの合字が気になってしまいました(2)。そこで \textcompwordmark を使ってみると(3)、なんだかまた間延びしてしまいました。

しょうがないから \kernを使って詰めたのが(4)です。(5)は\mathitを使わずにffの間を詰めたものです。こちらはoとf, fとsの間がやや開いてしまいました。周りくどいようですが(4)の方法で進めることにしました。

\[
R = V + offset                                        % (1)
R = V + {\mathit{offset}}                             % (2)
R = V + \mathit{of\textcompwordmark fset}             % (3)
R = V + \mathit{of\textcompwordmark\kern-.13em fset}  % (4)
R = V + of\textcompwordmark\kern-.13em fset           % (5)
\]

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