商用書籍場合、章の見出しがjbook.clsやjsbook.clsのデフォルトのままでOKというのは、まあ皆無でしょう(原稿なら何の問題もないですけど)。書籍がシリーズの1冊ならそのレイアウトに合わせる必要があるでしょうし、単独で出版する場合もなんとなく出版社や担当編集者の好みというのがあるものです。
レイアウトに関しては、さっぱりしたものが好きな出版社(や担当編集者)、コテコテのものが好きな出版社(や編集者)がいます。レイアウトは内容にも関係して、学術的になるほどさっぱりしてくるようす。中には「こんな複雑なもTeXで作ってられるか。EPSでまるごと貼っちゃえ」という気持ちになる指定もあります(実際にまるごとEPSを貼りました)。
そんな章扉の設定を、(1)ちょこっとした設定、(2)一部にEPSを使った設定、(3)全部EPSにした設定、に分けて紹介してみたいと思います。
以下は、ちょこっと設定した見出しです。
LaTeXで章と出力するのはもちろん\chapterですが、実際に見出し本体を担っているのは\@makechapterheadという部分です。
\@makechapterheadは引数として見出しの文字列を取るだけなので、まるごとゴソッと変更しちゃいましょう。
\def\@makechapterhead#1{%
\vbox to 50mm{\kern7mm\parindent\z@
\raggedright
\reset@font
\huge\bfseries
\ifnum \c@secnumdepth >\m@ne
\hskip10mm{\fontsize{20Q}{20Q}\selectfont\@chapapp
{\Huge\thechapter}\@chappos}
\vskip1.5mm
\hrule \@height 0.1mm
\vskip.5mm
\hrule \@height 0.5mm
\vskip2mm
\begin{flushright}
\fontsize{28Q}{29Q}\bfseries\selectfont#1\par
\end{flushright}
\vfill
\fi}
\nobreak
}
\vboxで囲まなくても構わないと思いますが、とりあえず\vboxの中に作ってしまいました。
垂直モードなので\kernで下に7mm移動、この中はインデントなし、左寄せです。
最初に第1章を配置して、\vskipと\hruleを重ねて、その下に右寄せで章の見出し(引数#1)を配置しました。
この例は実際にある出版社のシリーズに使ったものを少し直したものです。レイアウトはサッパリ・スッキリが好みなんですが、コテコテのほうもそのうち紹介したいと思います。
コメント