TeXの記憶(31) — chapterの修正(3):章扉全部をEPSにする

Illustratorなどで章扉全体のEPSを作り、カウンタを使って自動的に各章のEPSファイルを読み込む、という処理をしています。

LaTeXの\chapterを使って章扉全体をEPSにするのは、もうTeXで組むのは面倒だから、というのがいちばんの理由です。いろいろやろうと思えばできるけど、とっても時間がかかるし、この後どんな修正があるかわからないし、もうIllustratorで作ってしまえ、の気持ちです。

面倒な指定とは、やたらに長い見出しに長体をかけて文字幅を100%以下にする、見出しを2行にする、見出しの他にサブタイトルのようなものを付けて文字のサイズや書体も変える、などなどです。どれも各章扉が統一されていれば問題ないのですが、各章扉ごとに特殊な要素が入ってくると、ひたすらも時間をかけるのが仕事という状態に陥ります。統一感のない処理は単なる作業になってしまうので大変です。

章全体をEPSにするのも、これまでと同じく\@makechapterheadの中で指定します。
読み込むこと自体は簡単なので、その部分だけを抜き出しました。

\def\@makechapterhead#1{%
\vbox to \z@{\kern-27.1mm
  \moveleft20.5mm\vbox to \z@{%
    \hbox to \z@{%
      \includegraphics{chapter\arabic{chapter}.eps}%
  \hss}\vss}\vss}
\vskip25mm}

\kern-27.1mmや\moveleft20.5mmの値は貼り付けるEPSのサイズにもよるので適当に調整すればいいでしょう。

\includegraphics{chapter\arabic{chapter}.eps}%

の部分でカウンタに合わせて「chapter1.eps」「chapter2.eps」というように章番号の付いたファイルを読み込んでいます。

\arabic{chapter}

のところで章番号を展開し、前の部分の「chapter」と後の部分の「.eps」がつながった一つのファイルとして\includegraphcsによって読み込まれることになります。

というわけで章ごとに別々のファイルを用意すれば勝手に読み込んでくれますが、章の見出しを修正したときに、EPSだけ修正して\chapter{}の中の修正を忘れてしまうと、柱(ヘッダ)がそのままになってしまうので注意しましょう(私はよくやってしまいます)。

 

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