pyenv、virtualenv、pip、anacondaの違いを説明します

Pythonをインストールしようとすると必ず目に入ってくるのが pyenv、virtualenv、pip、anacondaという用語です。

Pythonの環境についての予備知識がない私にとって、どれが必要なのか、どれから始めるのか、そもそも用語もわかりませんでした。

この記事では、はじめてPython環境を作る人向けに

pyenv、virtalenv、pip、anaconaの役割をご紹介します。

※基本は、MacでPython3をインストールしたい人向けに説明しています。

ざっくりした説明

pyenv：Pythonのバージョンを切り替える
virtualenv：1つのマシンの中にいくつも別の開発環境を作れる
pip：virtualenvで作った環境に必要なライブラリを追加する
Anaconda：pyenv＋virtualenv＋pipとほぼ同じ働きの別の仕組み（pyenvでanacondaをインストールできるので、別の仕組みというにはちょっと違いますが、だいたいこんな感じです）

pyenv（ピーワイエンブ、パイエンブ）

pyenvは、1台のマシンでPythonのバージョンを切り替えることができます。

例：Python2.7とPython3.1を切り替えて使う

Pythonは2.x系と3.x系が混在していて（今では3になりつつありますが）、開発プロジェクトによっては、どちらかを使わざるを得ないことがあります。

pyenvでPythonのバージョンを切り替えられれば、複数のプロジェクトを並行して行うときに便利です。

今は「Python3.7.1」を使い

次のプロジェクトではPython2.7.10を使う、

というときに便利です。

virtualenvを使えば、プロジェクトごとに独立した開発環境を作ることができます。仮想環境と呼ばれます。Pythonのバージョンだけでなく、別々のライブラリを使うことができます。

Pythonの開発には、Python本体の他にさまざまなライブラリを利用します。

それぞれのプロジェクトでは、ProjecctAだけに使うライブラリ、ProjcctBだけに使うライブラリ、ProjectAとProjectCに使うライブラリなど、それぞれの条件があります。

全部混ぜてしまうと余分だし、後々の管理も難しくなります。

virtualenvは、1つのシステムの中に、必要な環境ごとにライブラリや使えるバージョンを分けることができます。

こうすれば、終わったプロジェクトの修正のとき「手元の環境のライブラリがバージョンアップして戻れなかった」などということがなくて済みます。

pipはPythonのライブラリなどをインストールするコマンドです。

Python 2.x系のバージョンに含まれるのがpip、Python 3.x以上に含まれるのがpip3です。

Pythonをインストールすると含まれているので、自分でインストールする必要はありません。

virtualenvで作った環境に、必要なライブラリなどをインストールするにはpip（pip3）を使います。

例：$ pip3 install パッケージ名

Anacondaは、Python開発に必要なライブラリやパッケージをまとめたもの（ディストリビューション）で、データサイエンス、機械学習などによく利用されています。

Anacondaをインストールすると、pyenvとvirtualenvを使わなくても、プロジェクトごとに別々の環境をつくることができます。

Anacondaについて調べると、condaとMinicondaという用語も目に止まります。

conda（コンダ）：Anacondaの環境の中でPythonのバージョンを切り替えたり、ライブラリを管理します。Anacnda、Minicondaをインストールすると同時にインストールされます。

Miniconda（ミニコンダ）：Anacondaは最初から数多くのライブラリが含まれていますが、Minicondaは最小限のライブラリしか含まれません。その分、容量が少なくなっています。

必要なライブラリはあとから、condaを使ってインストールできます。

Pythonをインストールするなら、職場や学校など、自分にあった環境に合わせて選ぶといいでしょう。

MacへのPython3のインストールは

の他に、

もあります（Python2はもともと入っています）。